キリスト教式の葬儀マナーとは
キリスト教式の葬儀には2通りあり、カトリックの場合とプロテスタントの場合とで葬儀マナーが異なります。カトリック教式では故人が所属していた教会で葬儀が行われ、葬儀と告別式は別で行います。プロテスタントでは祈りは神のために行われ、葬儀も神への感謝と遺族への慰めがメインです。葬儀と告別式は分けずに合わせて行われます。式を執り行う聖職者はカトリックでは神父、プロテスタントでは牧師で、礼拝の歌はカトリックでは聖歌、プロテスタントは賛美歌となります。いずれの場合もキリスト教式では香は焚きません。代わりに献花を行うため、香典ではなく御花料を包むのが葬儀マナーです。故人が親の場合は御花料は5万～10万円、兄弟姉妹やその配偶者は3万～5万円、祖父母やその他の親族は1万～3万円が相場です。会社関係者や友人は5千～1万円が相場となり、ユリの花や十字架が描かれた白無地の封筒に御花料と書いて受付で渡します。自分のフルネームや住所なども忘れずに書いてください。献花は仏教式での焼香と同じ、神道式での玉串奉奠(たまぐしほうてん)と同じようなものです。一般的に祭壇に白い花を捧げますが、もちろん献花する際の葬儀マナーとして適した服装を身につけましょう。服装は基本的には仏式と同じで問題ありませんので、礼服やダークスーツ、靴やバッグの小物類も黒で統一し、派手なアクセサリーは避けます。献花の仕方は教えてくれますので心配はありません。喪主、遺族、親族の後に参列者の番になりますので、見て同じようにすれば大丈夫です。祭壇で係の人から花を受け取りますが、花が右手になるように両手で受け取ってください。遺影に一礼したら花を時計回りに回し、下から花を支えるように持って献花台に置きます。終わったら遺族や聖職者に一礼し、席に戻ります。
キリスト教徒ではない人は、聖歌や賛美歌を知らないでしょう。もちろん歌わなければならないものではありませんので聞いているだけでも葬儀マナー違反ではありませんが、故人のためにできるだけ参加するのが望ましいです。キリスト教の教えでは亡くなったことは決して不幸なことではなく、永遠の命がはじまるという意識を持ちます。そのためお悔やみの言葉ではなく、安らかな眠りを祈る形が一般的です。